株式分割 | 商法・会社法

 株式分割とは、あたらに新株発行の手続きを行わず、株式の数だけ増やす手続きです。相対的に1株の価値が下がるので、買いやすくなり株式の流動性が上がる効果があると言われています。

株式分割の決議

 株式分割は、取締役会設置会社においては、取締役会において、それ以外の場合は、株主総会の決議によります。

 次に掲げる事項を定める必要があります。

  1. 増加の割合。たとえば1000株が3000株になるのであれば、1:3と書きます。
  2. 効力発生日
  3. 種類株式である場合は、その種類

株式分割にかかわる定款の変更

 株式の総数が増えるので、定款を変更する必要があります。通常は、定款の変更は、株式総会で行うのですが、種類株式を発行していない場合は、株主総会の決議なしで、株式分割に関わる部分に関して定款の変更を行うことができます。

特定の種類の株式のみを分割する場合

 特定の種類の株式のみを分割することができますが、その分割によって、不利益を受ける種類株主がいる場合は、定款で議決が必要でないことを定めている場合を除いて、種類株主総会の決議が必要になります。

教育を受ける権利と教育の義務(憲法26条) | 日本国憲法

 憲法26条では、教育を受ける権利教育の義務について書かれています。

 もし教育を受けられなければ社会的に貧しい状況に置かれる可能性が高くなります。それで、憲法は教育を受ける権利を保障しています。

 また、子供に教育を受けさせる義務を国民は負っているという書かれています。たとえば、経済格差のために、一部の子供たちが教育を受けられなければ、それによって不平等は拡大してしまいます。そこで、国家に対して、すべての子供たちに普通教育を受けさせる義務を負わせました。

 そして、義務教育は無償とすると規定されています。

学習権

 旭川学力テスト事件では、最高裁は、憲法26条の背後には「子供たちが、教育を自己にほどこすことを大人一般に要求する」との観念があると示しました。これは、一般に学習権と呼ばれています。

教育をする権利をだれが持っているか

 普通教育に関して、教育をする権利はだれが持っているかという疑問が生じます。国家が持っているのであれば、国家が教育の内容を決定することができます。もし、国民が持っているのであれば、子供の親が、教育の内容を決定することができます。また教師が持っていると考えることもできます。

 旭川学力テスト事件では、最高裁は、両極端を排除しました。親の教育権というのは、学校教育以外での家庭教育と、学校選択の自由として現れると示しました。

 つまり、普通教育の枠組みを決める権利は、国にあるということです。親が、国が定めた普通教育を拒否して、独自教育を行う権利はないということです。

 国家権力の国民への介入であるけれども、すべての子供たちに一定の教育を受けさせるためには、必要かつ合理的なものであると判断しました。

 ただし、子どもが自由かつ独立の人格として成長することを妨げるような国家的介入は許されないと示しました。

 普通教育においては、教師には完全な教育の自由が与えられているわけではなく、国が定めた指導要領の範囲において、教育の自由が許されますと示しました。

義務教育の無償の範囲

 いったいどこまでの範囲が無償なのかという疑問が生じます。最高裁は、無償の範囲を授業料と示しています。

取得請求権付株式 | 商法・会社法

 取得請求権付株式とは、会社に取得を請求できる権利のついた株式のことです。会社は、自己株式として取得することになります。

 会社が株式を取得して、その代価が請求者に支払われます。金銭で支払われる場合には、実質的には、資本の払い戻しが行われることになり、会社の資産が減るということです。そのため、債権者の保護を考える必要があります。

取得請求権付株式を発行するための手続き

 取得請求権付株式を発行するためには、定款で定める必要があります。

  1. 取得請求権を付す旨
  2. 取得対価と算定方法
  3. 取得期間

 定款の変更が必要なので、株主総会での決議が必要です。

請求方法

 株主は会社に対して、株式の取得を請求することができ、これは株主の一方的な意思表示によって実現されます。

取得の代価

 取得の代価としては、次のものが考えられます。

 金銭で支払われる場合は、資本の払い戻しが行われるのと同じになるので、分配可能額がないときは、行うことができません。行われたとしても、無効になり、不当利得を変換する義務を負います。

 欠損が生じた場合は、欠損額を補償する責任を取締役は負います。

不動産物件変動の第三者への対抗要件 | 民法

 不動産物件変動の第三者への対抗要件は登記です。登記がなかったとしても、当事者間であれば有効です。けれども、登記がなかった場合は、登記を備えた第三者に対抗することができません。

不動産物件変動の第三者への対抗要件のポイント

誰が第三者にあたるか

 学習のポイントは、だれが第三者に該当するかです。これを見分けましょう。なぜなら、第三者でなければ、登記なくして対抗できるからです。

だれとだれが対抗関係になるか

 だれとだれが対抗関係になるかを見分けましょう。

何を理由とする物件変動なのかを見ましょう

 どんな物権変動なのかをみましょう。

不動産物件変動の第三者への対抗要件の例

詐欺の取り消し

 詐欺が取り消された場合は、登記がなければ、第三者に対抗できない。

売買契約の解除

 売買契約が解除された場合は、登記がなければ、第三者に対抗できない。

生前に不動産を買い受けた人と死因贈与の授与者

 対抗関係になる。

受遺者と相続人の債権者

 対抗関係になる。

生前贈与を受けた者と特定遺贈を受けた者

 対抗関係になる。

遺産分割によって権利を取得した相続人と遺産分割後に権利を取得した第三者

 対抗関係になる。

公売処分取り消し後に落札者から不動産を取得した人と、取り消した本人

 対抗関係になる。

取得時効

 取得時効による場合は、登記なくして対抗できる。取得時効成立後に、不動産を譲り受けた人とは、対抗関係に立つ。



 抵当権が設定された不動産が譲渡された場合は、譲受人は抵当権つきの不動産を購入することになる。

表現の自由 | 憲法

 表現の自由は、論文問題になりやすい分野かもしれません。判例をよく読んで、どういった権利が、表現の自由の制約となりうるのかということを覚えておくとよいと思います。

 表現の自由の基本的な考え方は、個人の表現活動を国家権力によって制約されないというものです。たとえば、国家権力によって、表現活動に対して検閲が行われれば、国家は真実を隠蔽したり、不都合と思える表現を恣意的に排除したりすることができるでしょう。

表現が犯罪を構成する場合

 たとえば、表現がわいせつなものだっとしましょう。このような場合に、表現の自由を許すと、公然わいせつ罪になってしまいます。そんなものは見たくはないと思っている、他の人の自由を侵すことにもなりますね。

表現が他の人権とぶつかる場合

 表現が他の人権とぶつかる場合も、表現の自由が制限されることになります。

地域の景観

 ある表現が地域の景観を乱す場合に、地方公共団体が、その行為を規制できるかという問題が生じますね。

裁判官による政治活動の自由

 政治活動の自由も、表現の自由に内包されています。政治活動には、他の人に対して、表現を行うからです。ただし、裁判官の場合は、三権分立という別の指針があります。司法と国会は、独立しているべきなのです。ですから、この点で、裁判官の政治活動には、制約がかかります。

プライバシーの侵害
広告の制限

共同訴訟 | 民事訴訟法

 共同訴訟とは、複数の当事者を訴えること、また訴えられること。共同訴訟には、通常共同訴訟必要的共同訴訟がります。

 通常共同訴訟の場合は、ひとりの当事者に生じた事項は他の当事者に影響を及ぼさない。必要的共同訴訟は、全員について結論を一致して確定させなければなりません。

 ですので、事例を判断するときは、当事者が複数いた場合に、それが、通常共同訴訟なのか、必要的共同訴訟なのかという判断をすることが大切です。

 通常共同訴訟の場合は、弁論を分離して、判決を行うことも可能です。

婚姻の取り消し

 婚姻関係に矛盾が生じることは許されないので、必要的共同訴訟になります。

当事者の一方が死亡した場合

 当事者の一方が死亡した場合は、権利義務は相続人に受け継がれる。訴訟関係も、相続人に受継される。相続人が複数であった場合は、共同訴訟となる。

行政庁の処分 | 行政法

 行政が行う何らかの行為が、行政庁の処分に該当するかを判断することはとても大切です。処分取り消しの訴えで争えるかどうかということの判断になるからです。

 判例では、国民の権利義務を形成する行為、または、その範囲を確定する行為に該当するとされています。

公権力の主体たる国または公共団体が行う行為のうち,その行為によって,直接国民の権利義務を形成しまたはその範囲を確定することが法律上認められているもの
(東京都ごみ焼却場事件)

行政指導との関係

 行政指導は、強制力を持ちません。一方行政庁の処分は強制力を持ちます。行政指導であっても、強制力を伴う処分性を持つ行為であれば、処分取り消しの訴えで争う余地があります。