正当防衛 | 刑法
違法性が阻却される場合は、構成要件に該当したとしても、罰せられない。違法性が阻却される場合として、正当防衛がある。そこで、どのような場合に正当防衛が認められるのかということを、考えておく必要がある。
緊急性
正当防衛が認められるためのひとつの要件として緊急性がある。不法行為によって害を受けているまさにそのときに、防衛を行う必要があって、時間がたっている場合は、正当防衛が認められない。
たとえば、カバンを盗まれて、犯人が走り去っているときに、カバンを取り戻すことは、正当防衛になるが、一日たってから取り返す場合は、正当防衛にならない。
妥当な範囲の防衛
少しの侵害に対して、大きな侵害で返す場合は、過剰防衛となる。相手の不法の程度に応じた、防衛行為の範囲内で正当防衛が認められる。
当事者以外の人への侵害行為
では、不法な侵害に対して対応しようとして、他の人を巻き込んでしまった場合はどうなるのであろうか。この場合は正当防衛が成立するというよりも、緊急避難が認められるのだと思う。