行政指導

 行政が行う行為の中に行政指導と呼ばれるものがある。処分と呼ばれるものは、法律行為であって、相手との権利関係を新しく構成するが、行政指導は、助言的なものにとどまる。

 相手が行政指導に従うかどうかは、任意であって、行政指導に従わないことを理由に何らかの制裁を行うことはできない。それを行った場合は、違法な行為であり、国家賠償を問われることにもなる。

 原則して、行政指導は、処分に当たらないので、拒否を行うことができ、国家賠償法における取り消し訴訟などを行うことができないが、行政指導において処分性が実質的にみられる場合は、抗告訴訟で争うことができるとした判例がある。

 また行政指導によって損害が発生した場合は、国家賠償法に基づく損害賠償を請求することができる。

地方公共団体への適用

 盲点ですが、行政手続法は、一般法であって、地方公共団体に関しては、処分、届出、行政指導、命令などの規定は、努力目標であって、地方公共団体を拘束することはありません。ただし、地方公共団体は、一般的に、行政手続条例をもっていますので、その手続きにおいて行政手続法の趣旨が反映されているということはできます。

法令の根拠は必要か

 行政指導を行うために、法令の根拠が必要かどうかですが、必要はありません。

勧告が処分に該当する場合があるか

 勧告という法令の文面であっても、実質的には処分に当たる場合があるという判例がある。