無権代理 | 民法

 無権代理とは、本人から代理権を与えられていないのに、代理人として契約を行うことをいう。

本人の保護

 勝手に代理行為を行っているのであるから、本人に契約の効果は帰属しないのは当然です。けれども、本人は追認を行うことが可能です。追認すると、契約は、契約されたときから有効となります。追認は、相手方にする必要があります。

追認権の相続

 追認権は不可分的なものだと判例では言われていて、共同相続人全員で追認しない限りは、契約は有効になりません。

相手方の保護

 けれども、無権代理における契約は、当然には無効ではありません。相手方が保護される必要があるからです。

催告権

 相手方は、本人に対して、追認するかどうかを催告することができます。催告に応じなかった場合は、契約は、取り消されます。

取消権

 本人からの追認があるまでの間は、契約を取り消すことができます。最初から、代理権がないことを知っていた場合はできません。

無権代理人への履行の請求あるいは損害賠償請求

 本人が追認しなかったり、代理権の存在を示すことができなかった場合は、無権代理人に履行の請求または損害賠償請求を行うことができます。