訴因 | 刑事訴訟法

 訴因とは、起訴状に記述する公訴事実のことです。

被告人の保護

 検察官は、訴因に記述された範囲内でのみ、罪を問うことができます。これは、被告人が攻撃の範囲を知り、その範囲で防御をするためです。

具体的な訴因

 訴因には、日時、場所、方法、罪となるべき事実をできるだけ具体的に表示する必要があります。ただし、検察官ができるだけ具体的に書く努力をした結果、多少抽象的であったとしても、有効な訴因と、判例は示しています。

訴因の追加・変更

 訴因は、公訴事実の同一性の範囲内で検察官が変更することができます。

 ただし、被告人に不利益をもたらすと考えるときは、裁判所は、被告人あるいは弁護士の請求によって、公判手続を停止する必要があります。

 訴因の追加・変更は、第一回公判期日の前であっても行うことができます。