相殺 | 民法/債権編

 相殺とは、自分の債権と相手の債権を打ち消しあうものです。

相殺に関する判例

消滅時効

消滅時効期間の経過した債権が,その期間経過以前に債務者の有する反対債権と相殺適状にあった場合には,消滅時効期間の経過した債権を有する債権者は,債務者による消滅時効の援用の前後を問わず,相殺をすることができる。

債権の譲受人

債務者が受働債権の譲受人に対し相殺をもって対抗することができる場合には,その相殺の意思表示は,受働債権の譲受人にする必要がある。

不法行為による債権を自動債権とすること

不法行為に基づく損害賠償債権を自働債権とし,不法行為に基づく損害賠償債権以外の債権を受働債権とする相殺は,許される。

請負契約における代金支払請求権と瑕疵による損害賠償債権の相殺

請負人の注文者に対する請負代金債権と,注文者の請負人に対する目的物の瑕疵修補に代わる損害賠償請求権は、同時履行の抗弁権が付随するが、相殺をすることができる。

有価証券

有価証券に表章された金銭債権の債務者は,その債権者に対して有する弁済期にある自己の金銭債権を自働債権とし,有価証券に表章された金銭債権を受働債権として相殺する場合であっても,有価証券の占有を取得する必要はない。